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各論

17

コントラスト

VERDEの定義では


VERDEでは、コントラストを自分が望んでいる方向とは反対のものを体験することと捉えます。

コントラストとは、日本語にすると、対比という意味です。

心地よい状態と、心地よくない状態。

望んでいる状態と、望んでいない状態。

その違いが明確になる体験です。


13「願望」で見たように、私たちには共通して、「今よりも気分良くなりたい」という願望があります。

けれども、物質世界で生きていると、ときにはその反対へ進んだように感じる出来事が起こります。

良くなりたいのに、良くならない。

安心したいのに、不安になる。

うまくいってほしいのに、うまくいかない。

望んでいないことが起きる。

そのときに生まれる強い対比が、コントラストです。


なぜ良い流れの中で嫌なことが起きるのか


これまでこの講座では、宇宙には、源へ向かう大きな流れがあると説明してきました。

より良い方向へ。より拡大する方向へ。本来の自分へ近づく方向へ。

それなら、「なぜ、嫌なことが起きるのだろう」と思うかもしれません。

実際に物質世界で生きていれば、望んでいない出来事も起こります。


とても嫌なこと。

悲しいこと。

腹が立つこと。

「こんなことは起きてほしくなかった」と思うこと。

けれども、コントラストは、宇宙の良い流れから外れて起きているものではありません。

コントラストには、より良いものを生み出すための対比という働きがあります。


「これは違う」は「どうしたい」を生む


望んでいないものを体験すると、「これは嫌だ」ということが明確になります。

そして、「これは嫌だ」ということが明確になると、その反対側も同時に明確になります。


もっと安心したい。

もっと自由になりたい。

もっと大切にされたい。

もっと楽しく生きたい。

もっと自分らしくありたい。

つまり、望んでいないものを体験することで、望んでいるものがより明確になります。

コントラストは、新しい願望を生み出します。

そして、コントラストが強ければ、そこから生まれる願望も強くなります。

とても嫌だった。絶対にこちらではないと思った。

だからこそ、「では、私はどうしたいのか」が強く生まれます。


強いコントラストからは、より良いものが生まれる


14「ボルテックス」で見たように、願望が生まれると、それは非物質の領域へ届きます。

そしてボルテックスでは、その願望に対する協力的な要素が集まり、その人にとって最善の状態が形づくられます。ですから、強いコントラストを体験し、「これは絶対に嫌だ」と強く感じたときには、その反対側にある願望も強く生まれています。

本人が、その瞬間に、「では私の理想はこれです」と明確に言葉にできているとは限りません。

つらい体験の最中には、むしろ何が欲しいのかを考える余裕がないこともあります。

それでも、「こちらではない」という強い対比によって、その反対側にある新しい願望は生まれています。

そして非物質側では、その願望に対する最善の状態が形づくられます。


コントラストの役割は、その瞬間に果たされている


ここは、とても重要なところです。

コントラストは、長く苦しみ続けるために起きているわけではありません。

極端に言えば、一瞬の作用点として捉えることもできます。

針が刺さって、「痛い」と感じる。

そのくらいの短い時間でも、「こちらではない」ということは分かります。

そして、その瞬間に新しい願望が生まれれば、コントラストとしての役割は、すでに果たされています。

その後も、同じ出来事について長く考え続けなければ、新しい願望が生まれないわけではありません。「嫌だった」という対比が生まれた時点で、コントラストはすでに働いています。


コントラストと、苦しい状態が続くことは同じではない


コントラストが起きたあと、その出来事について考え続けることもできます。

なぜ、こんなことが起きたのだろう。

許せない。

また起きたらどうしよう。

やっぱり私はうまくいかない。

その思考を長く続けることも、肉体の自由意志としてできます。

けれども、ここでは、最初に起きたコントラストと、その後ネガティブな状態を維持することを分けて考えます。

コントラストは、「こちらではない」ことを明確にする最初の作用点です。

その後もその出来事へフォーカスし続ければ、ネガティブな思考が活性化し、その状態が続きます。

そして06「引き寄せ」で見たように、引き寄せは、今の自分の状態に対して働きます。

そのため、ネガティブな状態が長く活性化すれば、その状態に協力的なものがさらに引き合うことがあります。

これは、コントラストが続いているというより、コントラストをきっかけにした状態が維持されていると捉える方が適切です。


コントラストが起きること自体は、制御できない


では、「コントラストが起きないようにすればいい」のでしょうか。それはできません。

コントラストが起きるタイミングそのものを、肉体側ですべて制御することはできません。むしろコントラストは、予測していなかったからこそ、強い対比になるという性質があります。

もし、「毎月5日、10日、20日にコントラストが起こりますと分かっていれば、あらかじめ準備することができます。そうすると、同じような強い対比にはなりにくくなります。

コントラストは、ときに、予想していなかったところから現れます。

だからこそ、「これは嫌だ」ということが鮮明になります。


コントラストは、嫌で当たり前


コントラストを心地よく感じる必要はありません。

嫌なものは嫌です。

腹が立つこともあります。

悲しいこともあります。

ショックを受けることもあります。

「これはコントラストだから、喜ばなければならない」ということではありません。

コントラストのインパクトそのものを、嫌ではないものに変える必要もありません。

コントラストは対比です。

その対比がはっきりしているからこそ、「こちらではない」ということが分かります。

ですから、コントラストは嫌で当たり前です。


変えられるのは、その後


コントラストそのものが起きるタイミングは制御できません。

けれども、その状態をどれだけ継続するのかについては変えていくことができます。

16「感情」で見たように、ネガティブな感情は、現在の自分の思考が、本来の自分から離れていることを知らせるサインでもあります。


コントラストが起きた。

嫌だった。

腹が立った

悲しかった。

その感情を否定する必要はありません。

けれども、仕組みを知っていれば、「これはコントラストだった」と捉えることができます。

そして、「こちらではないということは、もう分かった」と考えることもできます。

その時点で、反対側には新しい願望が生まれています。

だから、その後は、新しく生まれたものを受け取れる方向へ、自分を整えていくことができます。


コントラストを短くすることはできる


コントラストそのものをなくすことはできません。けれども、コントラストによるネガティブな状態を長く継続しないということは、練習によってできるようになります。

最初は、何日も引きずるかもしれません。

それが、少しずつ短くなる。

一日になる。数時間になる。もっと短くなる。

最終的には、「嫌だった。これはコントラストだ」と気づき、比較的早く整える方向へ移れるようになることもあります。

大切なのは、コントラストを感じなくなることではありません。感じたあとに、その意味を理解し、必要以上にそこへ留まり続けなくなることです。


物質世界では、コントラストも凝縮される


コントラストは、物質世界だけに存在するものではありません。

非物質の領域にも、対比そのものはあります。ただし、その状態は非常に緩やかです。

物質世界では、魂の一部が肉体として焦点を結び、波動を大きく落とした状態で体験しています。

そのため、体験そのものが非常に明確になります。

見る。

聞く。

触れる。

感じる。

そして、感情も強く体験する。

それと同じように、コントラストも、肉体ではより凝縮された形で体験されます。

だから物質世界では、「これは嫌だ」という対比が、とてもドラマチックに感じられることがあります。

その強い対比があるからこそ、新しい願望も、より強く生まれます。


コントラストは、世界の拡大につながっている


ここまでを宇宙全体の仕組みとして見ると、


コントラスト

「これは嫌だ」という対比が生まれる

「では、こうしたい」という新しい願望が生まれる

願望が非物質へ届く

ボルテックスで最善の状態が形づくられる

コントラストへのフォーカスを終える

自分の状態を整える

新しく生まれたものと引き合う

物質世界で新しい体験が生まれる


という流れを見ることができます。

つまりコントラストは、宇宙の拡大と切り離された、望ましくない例外ではありません。

私たちが物質世界で体験し、新しいものを生み出していく仕組みの一部です。


「なぜ、こんなことが起きたのか」から先へ


嫌なことが起きたとき、「なぜ、こんなことが起きたのだろう」と思うことがあります。

もちろん、その出来事について考えることも自由です。

けれども、コントラストという仕組みを知ると、別の見方もできます。

「これは嫌だった」

それで、コントラストとしての役割は果たされています。そして、その瞬間にはすでに、「では、私はどうしたいのか」という新しい方向が生まれています。

そのため「なぜ起きたのか」だけに留まり続けるのではなく、「ここから、私はどうしたいのか」へ移っていくことができます。

その方向には、コントラストによって新しく生まれたものがあります。


コントラストを知るということ


コントラストについて知ることは、嫌な出来事を肯定しなければならないということではありません

嫌なものを嫌だと感じて構いません。コントラストは、嫌で当たり前です。

ただ、嫌なことが起きたから、宇宙の良い流れから外れたわけではないということを知ることができます。

望んでいないものを体験した瞬間にも、その反対側には、新しい望みが生まれています。

そして、その新しいものは、すでに非物質側で形づくられています。

コントラストの役割は、そこまでです。

その後は、自分を整え、新しく生まれた方向へ進むことができます。


エイブラハムの「ステップ5」


エイブラハムの教えでは、コントラストが起きたときにも、その意味を理解し、コントラストそのものを必要以上に否定せずにいられる段階を「ステップ5」として説明しています。

これは、「嫌なことが起きても何も感じない」という意味ではありません。

コントラストは感じます。一度は揺れることもあります。

それでも、「これはコントラストであり、ここから新しいものが生まれている」という仕組みを知っている。その理解があることで、以前より早く自分を整える方向へ戻ることができます。


※「ステップ5」は、エスター・ヒックス/ジェリー・ヒックスによるエイブラハムの教えで用いられている考え方です。




言い換えると


VERDEの資料では、コントラストを、

望んでいるものと、望んでいないものとの対比

「こちらではない」を明確にする体験

新しい願望を生み出す対比

などと表現できます。


望んでいないものを体験することで、「これは嫌だ」「こちらではない」ということが明確になり、その反対側に、「では、私はどうしたいのか」という新しい願望が生まれます。

その、望むものと望まないものとの違いを明確にする体験を、この講座では「コントラスト」と呼んでいます。


一般的に使われる類似表現


「コントラスト(Contrast)」は、一般には、

対比

対照

違い

明暗

比較によって生まれる

などを表す言葉です。


ただし、この講座でいうコントラストは、単に、

嫌な出来事

つらい出来事

ネガティブな状態

そのものを意味するわけではありません。

望んでいないものを体験することによって、「こちらではない」が明確になり、その反対側に新しい願望が生まれる対比を指しています。

これは、エイブラハムの教えで用いられる「コントラスト」という同じ考え方です。




関連する言葉

願望 コントラストによって「こちらではない」が明確になると、その反対側に「では、こちらがいい」という新しい願望が生まれます。

ボルテックス コントラストから生まれた願望は非物質の領域へ届き、その願望に対する最善の状態が形づくられます。

協力的な要素 新しく生まれた願望が最善の状態で叶うために、ボルテックスでは協力的な要素が集まります。

感情 コントラストによってネガティブな感情が生まれることがあります。その感情は、今の自分の状態を知らせるサインとして見ることができます。

引き寄せ コントラストのあともネガティブな状態へフォーカスし続ければ、引き寄せはその状態に対して働きます。

自由意志 コントラストが起きること自体をすべて制御することはできませんが、その後どの方向へ思考を向けるのかは選ぶことができます。

拡大 コントラストから新しい願望が生まれることで、それまでになかった新しい方向性が宇宙に加わり、拡大につながります。

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